【インフラメンテナンス】 自治体含め緊急的な取り組み整理
2018/06/22建設時事
建設メール
今後5年間で取り組むべき新たなインフラメンテナンス施策の提言を検討している国土交通省の有識者会議は、22日の会合で緊急的に取り組む施策の洗い出しを行った。今回、点検・診断における新技術導入に向けて、広域的・自治体横断的な取り組みへの支援や進捗管理等により国と地方自治体で新技術導入を推進することや、メンテナンスサイクルを確立するための老朽化状況や取り組み、個別施設計画の「見える化」、データ化などを緊急的に取り組む施策として整理した。
国交省では国が地方自治体の施設も含めてインフラの老朽化状況を俯瞰できるようにするため、維持管理情報のデータ化や老朽化状況を社会資本情報プラットフォームで収集・集計・整理し、オープンデータ化を進める考え。ただし自治体では既存の紙データや点検業務納品データの電子化等が必要であるため、データベース登録の予算的支援、データ内容の統一化などの方法を検討する。会合で委員からは「自治体にデータ化に取り組もうと思わせる仕掛けが大切。用語の統一も必要」などの意見が出た。
また国交省が2013年に実施した将来の維持管理・更新費用のマクロ推計について、点検等を通じた老朽化状況の把握や予防保全、新技術導入などを踏まえて年内に新たな推計を行う。今回は国交省インフラ長寿命化計画(行動計画)に位置付けられた▽道路▽河川・ダム▽砂防▽下水道▽港湾▽公営住宅▽公園▽海岸▽空港▽鉄道▽自動車道▽航路標識▽官庁施設▽観測施設―の14分野の施設を対象とする。
さらに、多くの自治体が将来的な維持管理・更新費や予防保全による効果を見積もることができず財源の見通しを持てないことから、分野別にLCC(ライフサイクルコスト)策定支援を進める。
他にも地域が長寿命化、集約・再編の管理方針や水準を検討、判断しやすい状況を作るため、各施設分野においてガイドライン・考え方・事例集を作成・公表する見通しだ。