【地域建設業】 生産性向上分析報告会で先進事例学ぶ
2018/06/28建設時事
建設メール
建設業振興基金が昨年度に調査業務を委託した「地域建設業に・効く・i-Construction」の結果報告会が28日に同基金内で開かれた。調査を担当した京都サンダーの新井恭子社長は「地域で奮闘する建設企業の取り組みを集めて生産性向上という視点で分析することで、経営者が自分でも挑戦してみようと思える事例を具体的に紹介するのが目的」と趣旨を説明し「共通していたのは早い時期から危機を感じ、解決策を模索する若手経営者が多くいたこと。会社が立ち向かう方向も明確にしていた」と指摘。今後も「地域を越えた緩やかな連携で情報共有と技術交流を継続して行うことが重要」と話した。
事業の解説を行った立命館大学理工学部の建山和由教授は、生産性向上を図るために「やみくもに取り組みをしても意味がない。企業ごと、あるいは企業内でも工事プロジェクトごとに人工数、資材の投入量、機材の使用量、就業時間などの『見える化』と改善行動の糸口の抽出が大事」とした。
また日本マルチメディア・イクイップメントの高田守康社長は、調査対象となった企業に共通する傾向として生産性向上の核となる取り組みは人材育成、技術力、原価管理であり、生産性向上に取り組むきっかけとなった要因には経営再建、技術的な先進性、経営ビジョンの見直しを上げていると指摘。「若い経営者が多く自社のビジョンが明確だからリスクにチャレンジできる」と説明した。
また「わが社における生産性向上を支えるコアコンピタンス」と題して▽松嶋建設(富山県)▽奥野組(岡山県)▽マツザワ瓦店(愛知県)▽菅原設備(愛知県)▽匠の学舎アカデミー(香川県)▽コイシ(大分県)の6社が事例発表し、自社で進める取り組みの特色などを紹介した。
さらに地方中小建設業の生産性向上に関して参加者が意見交換を行った。