【ダム再生】 19年度から3事業の新規事業化目指す
2018/07/27建設時事
建設メール
国土交通省は2019年度からの事業化に向けてダム再生3事業について新規事業採択時評価の手続きを開始する。候補箇所は▽北上川上流ダム再生事業(岩手県盛岡市)▽藤原・奈良俣再編ダム再生事業(群馬県みなかみ町)▽岩瀬ダム再生事業(宮崎県小林市、都城市)で、関係都県への意見聴取に着手した。藤原・奈良俣再編ダム再生事業では地方負担の負担者となる茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都から意見聴取する。
北上川上流ダム再生事業は、北上川水系北上川の四十四田ダムの洪水調節機能の向上と雫石川の御所ダムの洪水調節の操作変更を行う。四十四田ダムはダム高を2mかさ上げし、洪水調節容量を750万立方メートル増やすことで治水容量を約20%増強する。御所ダムは洪水調節開始流量を100立方メートル/s増やす。また非出水期の増電も検討する。全体事業費は約300億円。
藤原・奈良俣再編ダム再生事業では、利根川水系利根川の藤原ダムと楢俣川の奈良俣ダムの容量振替と放流設備の改築を計画。藤原ダムは洪水調節、利水(流水の正常な機能の維持、発電)のうち、洪水調節容量を239万立方メートル増大させる。奈良俣ダムは洪水調節水、利水(不特定用水、かんがい、都市用水、発電)のうち、利水容量を239万立方メートル増大させる。奈良俣ダムの洪水調節容量と藤原ダムの利水容量の振替および減電とならない措置を検討する。全体事業費には約17億円を見込む。
岩瀬ダム再生事業は、大淀川水系岩瀬川の岩瀬ダムの容量振替、放流設備増設による洪水調節の機能向上を図る。洪水調節容量を1500万立方メートル増やすとともに、減電とならない措置を検討する。全体事業費は約500億円となる。