【入札制度】 脇氏、公取に「安ければいいの精神捨てて」
2016/03/31インタビュー
建設メール
参議院の国土交通委員会で質問に立った脇雅史参議院議員は、公共工事における予定価格のあり方について国土交通省と公正取引委員会に質問した。
予定価格に近い落札額の場合、不正が行われたのではないかという見方をされることに対して脇氏は、「予定価格と同額で落札された時、発注者は損をしたことになるのか」と質問。国交省の田端浩大臣官房長は「仮に予定価格と落札価格が同額でも、そのことをもって発注者に損害が生じているものではない」と回答した。
さらに脇氏は、「改正品確法で受注者が適正な利潤をあげる責務が発注者にあるとなった。安すぎる取り引きは、公正とは言えない」とし、安値受注に対する公正取引委員会の考えをただした。
公取経済取引局長の松尾勝氏は、「落札価格が予定価格より低いという事実のみをもって独占禁止法上問題になるとは考えていない。ただし、採算を度外視した極端な安値受注が繰り返される事で、競争事業者の事業活動を困難にする可能性がある場合は、不当廉売にあたると考えている」と回答した。
脇氏は、「(公取は)安ければいいんだという会計法に基づく精神は捨ててほしい。品確法も同じ法律。明らかにおかしい入札は、全体の法体系から見て望ましいものではないとはっきりと言うべき。新しい法体系の中での独禁法の適用をさらに考えてほしい」と訴えた。