【道路メンテナンス年報】 直轄の舗装点検実施率は19%
2018/08/28建設時事
建設メール
道路管理者が全ての橋梁、トンネルなどを5年に1度、近接目視で点検することが義務付けられる中、国土交通省は4年目となる2017年度の点検実施状況や結果を道路メンテナンス年報としてまとめた。今回、国交省管理の舗装や小規模附属物の点検実施状況が初めて公表され、舗装は17年度の実施率が19%で、小規模附属物は17年度内に約1割の施設で定期点検を行った。舗装は21年度までの5年間で延長約6万2000㎞の点検を完了させる。
健全性判定区分では、点検を実施した約1万1300㎞のアスファルト舗装のうち約310㎞は修繕段階(路盤打換等)、約1350㎞は修繕段階(表層等修繕)とされた。コンクリート舗装では点検を行った約500㎞のうち、修繕段階と判定されたのは約20㎞だった。
約10万3000施設を対象に実施した小規模附属物の点検における損傷度の判定区分では、約3万3500施設で損傷が認められ、約4000施設は損傷が大きいとされている。
また14年度から17年度までの4年間で橋梁は80%、トンネルは71%、道路附属物等は75%で点検を実施した。16年度までに点検を実施した橋梁のうち、次回点検までに措置を講ずべきと判定された橋梁で修繕に着手した割合は、現時点で国交省管理が約62%、地方自治体管理では約9%にとどまっている。
ライフサイクルコストの縮減に向けては今後、予防保全型の修繕に移行する必要があるが、現時点では事後保全型の修繕よりも予防保全型の修繕に着手した割合が低い状況にある。
国交省では点検結果を踏まえ、地方自治体と連携して計画的なメンテナンスを行うとしている。