【建築保全業務】 技術基準改定で法定福利費は業務原価に
2018/09/12建設時事
建設メール
国土交通省官庁営繕部は、中央省庁が建築保全業務を委託する際に適切な業務仕様書と予定価格を作成することができるよう建築保全業務の発注に関する技術基準を改定した。共通仕様書、積算基準、積算要領の3種類を対象に最新の法令や建築技術動向などを踏まえた見直しを実施しており、共通仕様書と積算要領は5年ぶり、積算基準は10年ぶりの改定となる。積算基準・積算要領の改定では業界からの要望を反映させて、現場従業員の法定福利費を従来の一般管理費等から業務原価(業務管理費)に移行し、業務価格の費目構成を適正化した。
また共通仕様書の改定では、雨水利用推進に関する法律の施行を受けて雨水利用設備を適切に維持管理するための点検項目を見直したほか、LED照明器具、木製床などの新たな資機材を業務の対象に追加した。災害対応も明確化し、確実な業務継続に向けて災害発生時の対応に必要な事項、優先順位など受発注者間で契約時にあらかじめ取り決めておくべきことを新たに規定した。
今回の改定内容は地方自治体にも情報提供を行っており、来年度に発注する建築保全業務での活用を想定している。同部計画課では「新たな基準を活用し適正な価格で発注していただきたい」としている。