【国土交通省就任インタビュー】 総合政策局長 栗田卓也氏「社会資本整備に向き合う」
2018/09/26インタビュー
建設メール
国土交通省総合政策局の栗田卓也局長は就任インタビューで「社会資本整備への理解が世の中で進んでおり、防災に対する不安感もある。国土交通省として社会資本整備にあらためて向き合わなければいけない節目だと思っている」との考えを示した。
今後のインフラメンテナンスの需要に対しては「3年前に閣議決定された社会資本整備重点計画でも一番前に項目を立てて問題意識を振り向けたテーマ。社会資本のストックは国が直接管理している部分だけでなく、地方自治体が管理している量が多い。社会資本メンテナンス元年が2013年で、今年はそれから5年というタイミング。昨年12月に社会資本メンテナンス戦略小委員会を立ち上げて、あらためて専門家に議論していただいており、8月には緊急的に取り組む施策をまとめた。新技術の現場実装やライフサイクルコストの算定、インフラ管理水準の優先順位を付ける上で考慮すべき点などのガイドラインを作成し、地方自治体を支援していく」と説明。さらに「年内には今後5年間で取り組むべき新たな施策を小委員会が提言する予定であり、それを踏まえて施策の充実を図っていきたい。インフラストックの量が膨大なので、ますます努力がいる領域だと思う」と話す。
生産性革命に向けては現在、31のプロジェクトが動いている。栗田局長は「建設分野で進んでいるのはi-Construction。AI(人工知能)やロボットなどの技術革新によって仕事内容を効率化して、一番効果を出せるところだと思っている。建設産業界を挙げて取り組んでおり、もっともっと進化させていきたい」と語る。
PPP/PFIをはじめとする官民連携の取り組みの普及拡大に関しては「人口規模20万人以下の地方自治体では、もう少し積極的に取り組んでいける余地があるのではないか。小規模な自治体にもあらためて着眼するなど、制度の中身を伝えることから案件形成まで運用上の工夫も行いたい」との姿勢を見せる。
【略歴】くりた・たくや
1984年京大法学部卒、建設省採用。大臣官房人事課長、大臣官房審議官(総合政策局、土地・建設産業局担当)兼大臣官房参事官(人事担当)、都市局長を経て本年7月31日付で現職。61年8月生まれ。57歳。大阪府出身。