【UR都市機構】 復興CM方式で工期短縮を実現
2018/10/16建設時事
建設メール
都市再生機構は東日本大震災からの早期復興に当たり設計・施工等の迅速化を図るために東北3県12市町の計19地区で新たに導入した「復興CM方式」の効果分析報告書をまとめた。主な効果のうち、工期に関しては客観的な評価が可能となるように設定した標準工期と比較して、全ての地区で工期短縮を実現した。多くの業務量を処理するための実施体制が構築できたこと、設計・施工が可能な箇所から着手する究極の段階整備で実施されたことなどが主な要因としている。
また厳しい施工環境の下で、頻繁な計画変更に対する設計・施工への迅速な対応や事業相互間の確実な調整、施工上の制約を回避する合理的な施工手順と適正工期の実現などにより、適正コストの維持や安全・品質の確保につなげた。
さらに調査、測量、設計、施工においては専門性を踏まえた上で地元企業を優先的に活用。契約件数ベースでは57%、契約金額ベースでは32%が地元企業だった。
報告書では限界と課題にも言及しており、整備計画の確定と度重なる事業計画変更による時間経過、用地買収の未了や関連する他事業の遅れといった外部要因による工期遅延などは、対応に限界があるとした。
加えて公共工事標準請負契約約款をベースにしているため、膨大な事務作業への対応が必要であり、復興市街地整備事業の特徴として追加工事や設計変更が極めて多いことから、事業全体を見通したコスト管理方法の検討を主な課題としている。
他にもプロジェクトの目的を実現するためのシステムづくりと人材育成が必要と指摘した。