【インフラメンテナンス】 自治体の負担軽減へ契約方法拡大を
2018/10/22建設時事
建設メール
国土交通省は、22日開催の社会資本メンテナンス小委員会で今後取り組むべき新たなインフラメンテナンス施策の方向性として、地方自治体の負担を軽減する契約方法の拡大やデータ活用型インフラメンテナンスの展開などを提示した。
持続的なメンテナンス実行体制のための地方自治体支援策では、市町村の実行力を高める取り組みとして、維持管理に活用できる新技術の紹介やマニュアルの作成、所管施設の管理に必要な情報の電子データ化、負担軽減のための業務委託とアウトソーシングのさらなる活用、人材育成の推進を打ち出した。
契約方法の関係では、自治体職員の人員不足を補う業務委託等で従来型の方式から「包括委託」「共同処理」の手法を取り入れる事例が増えていることから、先行する自治体の事例分析や他分野での取り組みなどを整理し、全国で活用できる指針等を作成、周知する。
人材育成では、研修・実地講習の実施と市町村職員の参加拡大、維持管理に関する豊富な知見を持つ経験者を活用する仕組みも検討する。
データ活用型インフラメンテナンスでは、電子化すべきデータの項目、内容を整理し、各管理者へ周知するほか、地方自治体などの各管理者が有する情報のデジタルデータ化を全国一斉に実施する。並行して必要なデータを統合して一括で検索、出力できるAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)の活用を進める。将来的にはAI(人工知能)によりメンテナンスをさらに高度化させる。
2013年度以降の5年間で、各施設分野で一定程度確立したメンテナンスサイクルに関しては、2巡目のメンテナンスに当たり組織的なマネジメントや長期計画の観点からも継続的に改善していく「アセットマネジメント」を推進する。加えて施設の維持管理費用と更新費であるライフサイクルコスト(LCC)の最小化に向けたガイドラインを作成する。国交省では将来の維持管理・更新費用に関する新たな推計を、できるだけ早期に実施するとしている。
他にもPFIやコンセッションといった民間活力の一層の活用なども検討する見通しだ。
小委員会では、今後も中期的に取り組む課題について、提言や工程表の取りまとめに向けた議論を行う。