【CLT活用促進】 全都道府県での整備が実現
2018/11/01建設時事
建設メール
CLT(直交集成板)の活用促進に関する関係省庁連絡会議が1日に首相官邸で開かれ、CLTを活用した建築物の竣工件数が着実に増え、2018年度には累計で310件となる見込みであることが分かった。17年度は前年度比1・8倍の86件が竣工し、18年度は127件が竣工済みもしくは設計・整備中となっている。また18年度中に全都道府県で1棟以上の整備が実現する見通しが報告された。
CLTを活用した建築物は事務所、地方公共団体関連施設、住宅、店舗・倉庫、国の庁舎などが多い。最近はCLTを構造材として活用した民間による6階建ての建築物も増えている。
19年度予算概算要求では、主に林野庁、国土交通省、環境省が関係予算を引き続き要求中で、特に林野庁では中高層建築物を中心としたCLT等新たな木質建築部材利用促進・定着事業で本年度から増額要求となる約7・4億円を求めている。
活用促進に向けた取り組みも進み、17年度にはCLT生産能力目標に定めた年間6万立方mを達成。国交省ではCLTの基準強度について、新たに使用できる層構成を追加する告示改正を行った。
同日の会議で野上浩太郎・内閣官房副長官は、CLTの活用促進は新たな木造需要を生み出し、適切な森林管理を通じた土砂災害の抑制、国土強靭化にも寄与するとし、各省庁に対し引き続き取り組みを要請した。