【高力ボルト】 需給動向が全国的に逼迫傾向
2018/11/22業界動向
建設メール
建設現場で高力ボルト※の需給が逼迫(ひっぱく)しているという業界団体等からの声を受け、国土交通省が10月に初めて実施した緊急調査の結果、需給動向が全国的に逼迫傾向にあり、納期も通常と比べて長期化している傾向が確認された。3カ月後も同様の傾向が予想されており、工期に影響を及ぼす可能性が出ている。民間発注を含めて、今後は余裕を持った工事発注が必要となるため、国交省では注意喚起の意味も含めて今回、調査結果を公表した。
調査回答社は305社で、うち高力ボルト取り扱い社は需要側・供給側合計で159社。高力ボルト使用比率は建築で53%、土木で34%。
需給逼迫の要因としては「再開発を含めた建築等の需要が旺盛」「ボルトメーカーに対する材料供給が追いついていない」などの声が出ている。
工事への影響については「納期は通常時の約1・5カ月が、(平均で)約6カ月程度にまで長期化している」との指摘もあり、回答した会社の8割以上で工期に影響があると答えた。ただし納期延期により工期に影響が出る場合は受発注者で工期変更を含めた調整や、必要なボルトの早期発注を行うことにより対応している事例もある。
国交省では整備局ごとに設置している建設資材対策の地方連絡会を通じて毎月の状況を確認していく意向だ。
※高力ボルト
建物の鋼材などの接合に使われる高い強度を持つボルト。国内では鉄鋼系のボルトメーカーなど3社が大きなシェアを占めている。