【直轄業務の履行期限】 平準化へ新たな目標設定を検討
2018/11/29建設時事
建設メール
国土交通省は直轄業務の履行期限の平準化に向けた新たな目標設定を検討する。事業の上流段階となる業務やマネジメントに関する課題を検討するため、29日に開催した有識者会議で今後の方向性を示した。業務の履行期限が年度末の3月に集中する状況を回避する上で、当該年度予算ではなく国債や翌債、繰越制度の活用も含めた納期で新たな目標を設定する考え。
また週末に依頼し週初めの提出を求めることを禁止するといった受発注者間で1週間のルールを定める「ウィークリースタンス」や、Web会議などを活用した業務の効率化も進める。ウィークリースタンスは整備局で取り組みに差があるため、先進事例を参考に積極的に実施する。Web会議に関しては移動や拘束時間を減らす効果が期待されることから、具体的な試行方法を探る。
さらに業務の種類に応じた履行期限の平準化の目標も検討する。これまで測量、地質調査、土木関係建設コンサルタント業務を対象に4月から12月、1月から2月で各25%以上、3月で50%以下を目標に平準化を進めた結果、3月に履行期限を迎える業務件数の比率は年々減少傾向にある。
ただし測量や地質調査と比較して土木コンサル業務の比率が高く、同業務の中でも特に検討業務の比率が65・2%と高くなっている。国交省では検討業務の生産性を高めるために設計業務等で試行中の業務管理スケジュール表の適用を進める意向で、本年度中に管理表を作成し、2019年度から試行を開始する予定だ。設計業務等では履行期間設定に役立てる支援ツールを、契約後に受発注者共有の業務スケジュール管理表とする試行を本年度から開始しており、10月現在、支援ツールで履行期間を設定する詳細設計業務の約8割で活用している。
今回、委員からは「ウィークリースタンスの実効性をどう高めるかが重要」「業務の平準化は担当者個別ではなく組織全体として何らかの調整をしなければ実現は難しい」「従来はできなかったことを例外で認めることも並行して考える必要がある」などの意見が出た。