【国土強靭化基本計画】 本格的な加速化・進化へ見直し図る
2018/12/05建設時事
建設メール
国土強靭化基本計画の見直しに向けた素案が5日、政府の有識者懇談会で示された。現行計画策定から5年が経過する中、近年の災害で得られた貴重な教訓や社会経済情勢の変化等を踏まえて必要な見直しを行い、本格的な実行段階の「加速化・進化」を図る。また重要インフラの緊急点検結果を踏まえて年内にまとめる「防災・減災、国土強靭化のための3カ年緊急対策」を同計画にも位置付けるとともに、国土強靭化の推進方策や仕組みを充実させる。基本計画は年内の閣議決定を目指している。
基本的考え方では、特に配慮すべき事項として、官民連携の促進と「民」主導の取り組みを活性化させる環境整備、国土強靭化のイノベーション、「仙台防災枠組」である事前防災等の実践、2018年6月以降の災害からの教訓を踏まえた対策などを追加した。
計画対象となる施策の分野は、脆弱性評価を行うに当たり設定した12の個別政策分野および5つの横断的分野。施策分野ごとに推進方針を見直しており、過去の自然災害等を踏まえて具体的な施策を追加・明示した。
国土強靭化の加速化への取り組みでは、施策の進捗状況、社会情勢の変化等を踏まえ、重点的に取り組むべき15のプログラムを組み替えたほか、特に緊急に実施すべき施策は達成目標、実施内容、事業費等を明示した3カ年の緊急対策を定めて速やかに実施する。
他にも重要な課題に関して効果的な施策の具体化を検討する仕組みの導入や、年次計画における進捗管理手法を改善する。
なお計画は、おおむね5年ごとに見直しを行う。