【公共工事品確法】 改正骨子案で施工時期の平準化を規定
2018/12/20建設時事
建設メール
自民党の公共工事品質確保に関する議員連盟の法改正プロジェクトチームの初会合が20日に参議院議員会館で開かれ、災害時の緊急対応や働き方改革への対応、調査・設計の品質確保を柱とする品確法改正の骨子案が明らかになった。働き方改革の関係では、地域における公共工事の施工時期の平準化を図るため、債務負担行為や繰越明許費の活用による翌年度にわたる工期の設定、中長期的な発注見通しの統合・公表等必要な措置を講じなければならないことを発注者の責務として規定する。施工時期の平準化を品確法に位置付けることで、特に地方自治体における平準化に向けた取り組みを強力に後押しする見通しだ。
発注者の責務としては、休日、準備・後片付け期間、気象条件、許認可などの事務手続きに要する期間等を考慮して適正な工期を設定しなければならないことも明記する。
また必要な労務費・社会保険料等を含む適正な額の請負代金、適正な工期での下請契約の締結を受注者の責務とする。
災害時緊急対応の関係では、災害時における復旧工事の迅速かつ円滑な実施、そのための地域における担い手の確保を基本理念に明記。発注者の責務として緊急性に応じて適切に随意契約、指名競争入札等の入札・契約方法を選択することや建設業者団体等との協定締結、他の発注者との連携に努めることを規定する。
調査・設計の品質確保の関係では、測量、地質調査、その他の点検・診断を含む公共工事に関する調査等を法律の対象とすることを基本理念に位置付ける。適正な利潤を確保するための予定価格の適正な設定、ダンピング受注の防止、適切な設計変更、適正な工期設定、施工時期の平準化、災害時の緊急対応の推進や円滑な発注体制の構築等を発注者の責務とする。
生産性向上への取り組みでは、発注者の責務として監督および検査における画像・電子的情報等の活用を、受注者の責務としてICTの活用等による生産性向上に努めることを規定する。
他にも発注者が発注関係事務の実施に必要な知識または技術を有する職員の育成・確保の体制に努めることや、工事に必要な地盤状況情報等の適切な把握・活用、公共工事完成後の適切な維持管理の実施などを新たに規定する予定だ。
改正法案は次期国会での成立を目指す。
業界団体からの意見も踏まえてまとめた改正骨子案について、プロジェクトチームの座長を務める佐藤信秋参議院議員は「地域の守り手である建設産業の魅力ある新3Kの職場づくりのための改正にしたい」との考えを話している。