【月間アーカイブ・12月】 公共事業費の大幅増が実現
2019/01/08建設時事
建設メール
【注目の動き】
政府は21日に2019年度予算案を閣議決定した。公共事業関係費を見ると通常分が6兆596億円で、前年度当初比約807億円増(1・3%増)。これに臨時・特別の措置関係8503億円が上乗せされるため、総額は6兆9099億円に上る画期的な予算となった。
「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」に向けては1兆3475億円の臨時・特別の措置を活用する。18年度第2次補正予算分を合わせた国費は2・4兆円となり、20年度までの3年間で7兆円程度の事業規模を見込む。
国土強靭化を進めるに当たり、当面3年間の事業費は確保された格好だが、あくまでも集中的に行う緊急対策の話だ。やはり建設業者が将来の見通しを立てる上でも、緊急対策以降の10年先、15年先までを見据えた中長期的な計画が欠かせない。
今後は建設業団体が求めている18年度補正予算から19年度当初予算への切れ目ない予算執行とともに、早期の予算成立と地域の実情を踏まえた予算の重点的配分が期待される。また建設業界も切れ目ない予算執行に備えて、円滑な施工に努める必要がある。
【品確法改正へ骨子案明らかに】
自民党の公共工事品質確保に関する議員連盟の法改正プロジェクトチームの初会合が20日に開かれ、災害時の緊急対応や働き方改革への対応、調査・設計の品質確保を柱とする公共工事品確法改正の骨子案が明らかになった。働き方改革の関係では、地域における公共工事の施工時期の平準化を図るため、債務負担行為や繰越明許費の活用による翌年度にわたる工期の設定、中長期的な発注見通しの統合・公表等必要な措置を講じなければならないことを発注者の責務として規定する。施工時期の平準化を品確法に位置付けることで、特に地方自治体発注工事等の平準化に向けた取り組みを強力に後押しする。
地域の守り手である建設業が魅力ある産業となり、持続的に担い手を確保できるように、国土交通省が改正を検討する建設業法、入札契約適正化法を含めた「担い手3法」は、新たな局面を迎えることになる。