【プレキャストコンクリート】 大型構造物にも適用へ実務者向け手引き
2019/01/09建設時事
建設メール
コンクリート工の生産性向上に取り組む国土交通省は、大型構造物へのプレキャストコンクリート部材の採用を促進する。産学官の関係者による技術委員会が策定した「プレキャストコンクリート構造物に適用する機械式鉄筋継手工法ガイドライン」を活用し、大型のボックスカルバートやL型擁壁などへの適用、普及拡大する場合の参考にしてもらう。9日付で整備局等に通知した。
コンクリート構造物の施工では、製品工場や現場ヤードで製造されるプレキャスト部材を活用することで生産性向上が見込まれている。ただしプレキャスト部材を使って一定規模以上の構造物を構築する場合に継手の位置が一断面に集中する、いわゆる全数継手になるとともに、施工後の鉄筋継手の確認が難しく、使用する機械式鉄筋継手の性能や特徴を十分に熟知して設計や施工を行う必要がある。今回のガイドラインはプレキャスト部材を用いた構造物に機械式鉄筋継手工法が適切に使用されるように、実務者向けに設計時・施工時の技術的な留意事項を初めて取りまとめたもの。
国交省では現場打ちコンクリートの機械式鉄筋継手工法ガイドラインも含め、2016年度以降にまとまったコンクリート工に関する規格の標準化・要素技術の一般化に向けた技術を反映させた上で、本年度内に「土木構造物設計ガイドライン」を改定することにしている。