〈耳寄り〉 住宅購入で消費税増税の影響受けず
2019/02/06コラム
建設メール
野村不動産アーバンネット(東京都新宿区)が実施した同社の不動産情報サイトの会員を対象とした住宅購入に関する意識調査の結果、消費税率が5%から8%に上がった前回の増税時よりも、住宅購入計画で「消費税増税の影響は受けない」という回答が大幅に増えたことが分かった。また増税に伴う住宅取得支援策への期待が高まっている状況も明らかになった。
消費税増税の影響に関しては、「影響を受ける」との回答が前回と比べて10・2ポイント減少し、「影響を受けない」という回答が同比で13・2ポイント増加した。「影響を受けない」理由としては「住宅ローン減税の期間延長など、消費税増税に伴う住宅取得支援施策が予定されているため」が43・3%と最も多かった。さらに「欲しいと思った物件を購入したいため」「購入するタイミングを優先したいため」との意見が続いた。
不動産の買い時については、どちらかと言えば買い時との回答を含めて37・9%が「買い時だと思う」としている。理由は「住宅ローンの金利が低水準」「10月に消費税が10%に増税予定であるため」「今後、住宅ローンの金利が上がると思われる」との理由が上位を占めた。
◇ ◆ ◇
国土交通省がまとめた2018年の新設住宅着工戸数は前年比2・3%減の94万2370戸となり2年連続で減少した。特に持家は平成に入ってから一番低い水準となっている。また建設経済研究所が公表した19年度の住宅投資は前年度比で微減と予測するなど、前回の増税時と比べると大幅な駆け込み需要は生じない可能性が高い。急激な需要の増加は一時的に業界を活性化させるが、その後の反動減があるのも事実。住宅購入予定者も2度にわたる増税時期の延期もあって、買い時を冷静に判断するようになっている。分譲住宅を含めた住宅取得支援策などの有効な方策を通じて、新設住宅着工戸数の平準化が実現するかどうかが注目される。