【港湾のICT活用】 19年度はケーソン据付でモデル工事
2019/02/15建設時事
建設メール
港湾整備事業でICT導入を進める国土交通省は、15日開催の有識者検討委員会で2019年度のICT活用拡大方針案を示した。注目は構造物を対象としたICT本体工のモデル工事で、19年度はICT基礎工、ICTブロック据付工に加え、新たにケーソンの自動据付等を想定している。構造物工事におけるマルチビームを活用した深浅測量の本格運用は20年度からを見込む。
先行して進めているICT浚渫工のうち、19年度は「測量のみ」については引き続き本格運用し、「施工のICT化」に関してはGNSS(衛星測位システム)を活用して施工箇所を可視化する試行工事に入る。
3次元データによるCIMの活用では、従来の桟橋式構造から重力式構造(ケーソン)へ対象を拡大して設計業務を行うほか、CIMを活用したモデル工事も進める。また本年度内にはCIM導入ガイドライン(案)港湾編をまとめる。
監督・検査の省力化に向けては、施工管理システムの導入、各システムの連携、施工情報の一元管理などICTを活用した監督・検査方法を検討していく。
当日の委員会で国交省港湾局技術企画課の遠藤仁彦課長は「来年度は各工種のモデル工事を数多く実施して、ICT導入を着実なものにしていきたい」と話した。