足立敏之参議院議員は12日の参院国土交通委員会で質問に立ち、政府が進める「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」を評価しながら「防災・減災、国土強靭化は3年で終わるようなものではない。継続的で持続的な投資が必要」との考えを強調した。加えて建設国債で公共事業予算を確保することが後世への付け回しとの批判があることに対して「防災への投資を怠ること自体が、災害対応のための後年度の負担を生み続けるということになる。まさに投資をしないことが後世への付け回しになる」との持論を展開し、事前防災への必要な対応を求めた。
また緊急対策では地方の中小建設業が担うべきメニューが多く含まれるため、地方自治体による円滑な事業実施に向けて、入札・契約手続きの適正化や施工時期の平準化など「国の直轄事業が先導的な取り組みを実施し、都道府県・市町村をリードすべき」と指摘した。国土交通省大臣官房の五道仁美技術審議官は、直轄事業で率先して円滑な施工確保対策に取り組んでいるとした上で、地域発注者協議会などを通じて、さらなる働き掛けや支援を行う方針を示した。
さらに地域の守り手である建設産業が今後も持続的に活躍できる環境整備の必要性を訴える足立議員の質問に対し、石井啓一大臣は安定的・持続的な公共事業予算の確保が重要との認識を示した上で、働き方改革の促進と生産性向上のために建設業法および入札契約適正化法の改正案を今国会へ提出する準備を進めていることを説明した。