【中央公契連モデル改正】 自治体でも範囲引き上げを/変動型制限価格見直しも
2019/03/29建設時事
建設メール
国土交通省と総務省は28日付で、都道府県・政令市に対しダンピング対策のさらなる徹底に向けた低入札価格調査基準および最低制限価格の見直し等を通知した。国交省が2019年度から低入札価格調査基準の範囲を「75%~92%」に引き上げることに伴い、中央公共工事契約制度運用連絡協議会(中央公契連)モデルも同様の改正を行ったことを知らせるもの。今回の改正を参考に地方自治体でも適切な見直しを行うとともに、変動型の最低制限価格制度の見直しなどダンピング受注対策の強化を図るよう要請した。
低入札価格調査の基準価格および最低制限価格について、都道府県では多くが中央公契連モデル通り、またはモデル以上で設定しているため、今後、新モデルに準じた基準価格の引き上げが進むとみられる。市町村でも新モデルを参考に地域の実情を踏まえた基準の見直しが期待される。
また今回の通知では、低入札価格調査の基準価格または最低制限価格制度が未導入の自治体に対して早急に制度導入の検討を行うこと、特に人口や年間発注金額が一定程度の規模の団体には速やかな検討を求めた。
さらに一部の自治体で導入している入札金額に応じて調査基準価格や最低制限価格が変動する算定式を用いる方式について、多くの場合は価格が中央公契連モデルよりも低い水準となっており、ダンピング受注防止に十分機能していないのではないかとの疑義があることを踏まえ、適切な見直し等の検討を要請した。
他にも低入札価格調査の基準価格および最低制限価格、予定価格の事前公表の取りやめ、総合評価落札方式に限らず低入札価格調査制度の適切な活用徹底などによるダンピング対策の実効性確保も求めている。