【高力ボルト不足問題】 安定供給へ関係機関と対策検討
2019/04/15建設時事
建設メール
鋼材などの接合に使われる高力ボルトが建設現場で不足し、各地で工期などに影響が出ている問題で、国土交通省が安定的な供給に向けて関係機関などと連携し対策を検討していることが分かった。12日の衆議院国土交通委員会における井上英孝議員(日本維新の会)の質問に対して、野村正史土地・建設産業局長が明らかにした。
国交省が昨年10月に実施した緊急調査では、調査対象となった関係企業の約83%が工期に影響があると回答。3月に行った2回目の調査結果は集計中ながら、野村局長は「現時点の集計では工期への影響があるとの回答が約90%となり、依然影響が生じているという回答が太宗を占めた」と答えた。また4月5日に経済産業省や供給側・需要側の関係者を集めて、需要動向調査結果の共有や需給安定化に向けた今後の対応などについて意見交換を行ったことを明かし「需給安定化に向けたさらなる対策を講じることができるのか、関係省庁などとも連携を図りながら現在、検討している」と話した。
ボルト不足の理由に関しては、建設業団体などの需要側、ボルトメーカーなどの供給側の関係者から「在庫の枯渇による納期の遅れなどから市場が混乱し、重複発注や水増し発注の可能性があることも一つの要因ではないかという声も聞かれた」と説明。昨年12月に需要側と供給側の関係団体に対して計画的な発注と安定供給に向けた協力を要請した後も、依然として全国的の需給動向は逼迫(ひっぱく)傾向が続き、納期が前回調査よりも長期化していることもあり、「やはり何らかのさらなる方策を講じる必要があると考えている」と答弁した。