【就任インタビュー】 国土交通省大臣官房地方課長 奥原崇氏「建設業者が活躍できる工夫を」
2019/04/17インタビュー
建設メール
国土交通省大臣官房地方課長に就任した奥原崇氏は3年間、兵庫県で住宅建築やまちづくりに携わった。「建設業界が置かれた状況は肌身で感じてきた。国交省の直轄工事を通じて地元を支える建設業者、建設関係に従事する方々が活躍できるような工夫をしていきたい」と抱負を語る。以前、建設業課に在籍していた時代とは環境が大きく変わり「担い手不足という声が本当に深刻化しているのを痛感した。建設業界をしっかりと支えていくことが、より重要になってきたと思う」とし、建設業の働き方改革の取り組みを周知しながら、着実に市場環境の改善を進める必要があると話す。
中央省庁などの公共工事発注機関で構成する中央公契連では、低入札価格調査基準の範囲を引き上げる「中央公契連モデル」の改正を行った。奥原課長は「多くの直轄工事を抱える国交省では、さまざまな経験とノウハウを蓄積してきた。地方課としては関係各課と連携しながら、特に公共発注の先導的役割を果たしていきたい」と述べ、各発注者と情報を共有し、制度改正の趣旨等を周知していく姿勢を見せる。
昨年8月から試行を始めた電子契約システムに関しては「1月まで試行し、保管や運送コスト、手続きに要する時間の面で好意的な意見が多かったと聞いている。8月からのシステム再開に向け、発注する側と受注する業者の声も取り入れながら改修を進める。8月からは本官発注については原則、電子契約の対象にしたい」とし、事務所発注の案件でも可能な限り対象とする考えを示した。
【略歴】おくはら・たかし
1996年京大法学部卒、建設省採用。国交省住宅局建築指導課建築業務監理室長、兵庫県県土整備部住宅建築局長、同まちづくり部長を経て本年4月1日付で現職。46歳。大阪府羽曳野市出身。