【月間アーカイブ・4月】 「建設技能者元年」が幕開け
2019/05/09建設時事
建設メール
【注目の動き】
改正入管法施行に伴う新たな在留資格「特定技能」の開始を受けて、建設分野で特定技能外国人の受入業務等を行う新法人「一般社団法人建設技能人材機構」(JAC、才賀清二郎理事長)が1日に設立された。〝オール建設業界〟の協力により受入事業を進めるため、20団体の正会員と賛助会員1団体が参加している。同機構では同一労働・同一賃金、公正な競争環境の確保などの原則の下で、日本の建設業界を代表して透明性の高い受入事業を実施する。
4月から新たに14分野で外国人の受け入れが行われることになったが、建設分野での成功が制度の命運を握るとの指摘が出ている。石井啓一国土交通大臣も「業界自身が共同で受入事業を実施し、透明性の高い事業を行うモデルは、他の産業分野の模範となる」と期待を寄せる。
2019年度を「建設技能者元年」と位置付ける石井大臣は、4月から本格運用が始まった建設キャリアアップシステムも含めて、担い手を確保し、建設業を「新3K」の職場に変える上で重要な仕組みになると考えている。建設業で働く人々が日本人・外国人に関わらず給料が良く、休暇が取れ、希望が持てるようにするために、業界一丸となった取り組みが、一層求められそうだ。
【改正労働基準法が施行に】
4月から改正労働基準法が施行され、時間外労働について罰則付きの上限規制が適用されることになった。建設業には5年間の猶予が与えられているとはいえ、建設技術サービス業に位置付けられる建設関連業者は猶予期間無しに規定が適用される。
急速な高齢化と若者離れが進む建設業では、工期を適正化して長時間労働を是正し、週休2日を確保することが、「令和時代」の担い手確保・育成に必要不可欠であることは言うまでもない。建設業の持続的な発展には個社の取り組みが重要であることをあらためて認識し、着実に働き方改革を進めることが何よりも大切になる。