《連載②・土木における外国人労働者》 労働者受け入れであるという難しさ
2019/05/13特集企画/PR
冬虫夏草
外国人労働者の問題点として、今回は研修制度ではなく、労働者受け入れであることから生じてくる問題がある。
研修であれば、研修先の変更は許されなかった。今回制度においては、同一業務であれば、職場を変えることが許されている。
外国人労働者は孤独な外国での生活の中で同国人同士のネットワークを構築する傾向にある。
そのネットワークの中では、自身の境遇も含み情報がやり取りされる。
そのネットワークの中で労働環境、給与などが主要話題になることは容易に想像することができる。
今回の外国人労働者の受け入れを安い労働者の確保だけだと考えていると、次々に外国人労働者が離職していくという事態になることもあり得る。
受け入れ側では、住居の準備や指導員の確保など、環境整備にお金がかかっている事もあり、イニシャルコストを回収していない会社からすれば、安い給料であることは仕方ないと考えているかもしれないが、労働者にとっては関係ない話でもある。
他方、給料だけではなく、食事の案内(母国の料理)や言葉の壁に対する配慮などが必要で、外国人労働者からの評判が高ければ、後続する同国外国人労働者の募集も容易になる傾向がある。
外国人労働者をどの様に受け入れるのか、5年後はどうするのかなど慎重に考慮し、会社全体で受け入れる方針を固めてから、実施すべきであろう。
寄稿者:冬虫夏草
長きに渡り、地方自治体における総合評価制度の実際の現場で評価に携わってきた
現在も総合評価制度を探究し、ゼネコンはじめ多くの建設企業から相談を受けている