【工期の適正化】 建設業法改正で実効性を確保
2019/06/04建設時事
建設メール
建設業法等の改正案を審議する4日の参議院国土交通委員会で、国土交通省は建設業の働き方改革を促進する上で重要となる工期の適正化に向けて、法改正により実効性を確保する考えを示した。
改正建設業法では、中央建設業審議会(中建審)が工期に関する基準を作成・勧告するとともに、著しく短い工期による請負契約の締結を禁止し、違反者には国土交通大臣等から勧告を実施することを規定する。新たな基準の内容を問う増子輝彦議員(国民民主党)の質問に対し、野村正史土地・建設産業局長は「基準は定量的な形ではなく、工期を設定するに当たって考慮すべき定性的な事項が定められるものと考えている。具体的には雪や雨などの自然的要因、週休2日や年末年始等の不稼動日などに配慮して設定されるべき事項、準備段階では用地買収や建築確認、資材などの製作の事項、施工段階では掘削土の排出や受電の時期、後片付け段階では工事の完成検査や仮設工作物の撤去などが考慮すべき事項として示される必要がある」とした。
著しく短い工期に関しては一律の判断は難しいとしながら、建設業許可を行った行政庁が、中建審が策定する基準で示す事項が考慮されているかの確認、過去の同種・類似工事の実績との比較、建設業者側が提出した工期の見積もりの内容精査などを行い「工事ごとに個別に判断することが必要」と答弁した。また著しく短い工期が疑われる場合には、建設業者に対する報告徴収、立入検査を行うことに加え、民間の発注者に対しても資料の提出や報告を求めることができることにし「実効性の確保を図っている」と説明。著しく短い工期であることが確認された場合には「発注者に対して勧告等の措置を適切に講じる仕組みの構築を検討している」とした。