《連載②・グローバルスタンダード》 建設現場における技術者のあり方が変わる潮目の年
2019/06/24特集企画/PR
冬虫夏草
企業として、個人的にも注意すべきことはどの様なことであろうか。
具体的にはどの様な注意が必要であるかは、宗教における禁忌を知っていればよいことである。
先頃、インドネシア政府が日本への労働者を送ることを明らかにした。インドネシアといえば国民の7割以上がイスラム教徒である。
イスラム教では豚肉とお酒がタブ-だから、飲み会に誘うのはいいが、お酒を勧めるのは良いことではない。また、厳密にいえば、お酒を使った料理、豚骨ラーメンなども駄目であることから、来日で日が浅い人に対してはこちらの方が配慮すべきことである。さらに、1日に5回の礼拝、ラマダン(日中の断食)の際どうするのかを本人と仕事の効率を勘案した上、調整すべきである。中東の国でも、ラマダンの月であれ、屋外において仕事をする人に対しては水を飲むことをOKとしている。
一方、厳しい戒律を自らに課している人では、ラマダン中は唾さえも飲みこまないという人もいる。
女性の場合、半袖シャツやスカートなども問題なので、制服等についても話し合いが必要となる。
日本に来る段階である程度の妥協は必要と考えている人が多いだろうが、要は話合いである。
ただ、『郷に入れば郷に従え』というのは暴論で、宗教的核心については譲ることは考えられない。あくまでも尊重しつつ、妥協点を見つける姿勢が必要である。
これらの行為を『めんどくさい』と思ってはいけない。宗教に対してそれぞれ配慮することが、世界では当たり前のことであり、グローバルスタンダードなのである。
先日、インドネシア人で日本の永住権を持っている若者と話すことができた。
日本に来て一番戸惑ったことはと聞くと、トイレに関してだという。
日本のトイレがあまりにも清潔だから驚いたのだろうと予想したが、事実は反対で、おしりを洗う為のホースがなくて困ったのこと。
なるほど、東南アジアや中東では、トイレに水が出るホースがついており、おしりを洗うようになっている。
ウォシュレットがあればよかったのだろうが、おしりを洗えなくてちょっと不潔に思えたというのだから、直接話をして初めてわかることが多いのだろうと思い直した。
ところで、トイレに紙など常備されていないのに、洗ったお尻は何で拭いているのか以前から疑問だったが、再び聞き損ねた。
寄稿者:冬虫夏草
長きに渡り、地方自治体における総合評価制度の実際の現場で評価に携わってきた
現在も総合評価制度を探究し、ゼネコンはじめ多くの建設企業から相談を受けている