〈冬虫夏草〉 お隣の国韓国
2019/07/12コラム
冬虫夏草
お隣の韓国との関係が微妙だといわれている。
「韓国は約束を守らず、要求のゴールポストは常に動き続ける。同国内においては、反日教育がおこなわれている。」として、ネット上では国交断絶さえ唱える人がいる。
朝鮮との関係がギクシャクし始めと言えば、明治政府による征韓論及び韓国併合などの150年前から始まるのかもしれない。
しかし、長い歴史をひも解けば、朝鮮半島には任那という日本人がいる国があったし、室町時代から江戸時代にかけ朝鮮通信使として400年弱の親交の歴史がある。
そもそも征韓論は明治政府を朝鮮が認めない(親書の返答を出さない)ことから興ったことであるが、その当初から親交があった江戸幕府を打倒した明治政府に対して、良い印象を持っていなかったことも一因であろう。
韓国は日本が朝鮮戦争によって高度成長期に至ったように、ベトナム戦争を契機に「漢江の奇跡」を成し遂げたのであろう。
しかし、韓国の人口は約5,000万人。
しかも、韓国の女性の特殊出生率は0.9となり、今後は急速な人口減少が進むものと思われる。
経済の大部分(輸出の25% 輸入の20%)を中国に頼っており、日本は輸出5位、輸入2位となっている。中国経済が低迷すれば、日本以上に韓国は大打撃となる。さらに、韓国経済の中心である、家電、スマホ等の電子機器は正に中国が世界の経済的覇権を握る為の産業である。
韓国経済はその金融基盤の脆弱さもあり、決して安定的とは言えない。韓国にもIMFの管理下に入った記憶はまだ薄れていないであろう。
一方、韓国からの日本への観光客は750万人を突破し、果たして新聞やテレビやネットで騒ぎ立てるほど、韓国の対日本感情は悪化しているのか、大いに疑問である。つまり、慰安婦像から始まる一連の摩擦は、些細なこととしたい。
かつて、李承晩は1852年に海洋主権宣言をし、勝手に海域に李承晩ラインを引き、自国の主権を主張した。
これには、日本のみならず米国も違法であるとしたが、そのまま黙殺、それに比べたら、まだましである。
対処は粛々として行うとしても、大局として日本人は、大国としてもっとおおらかに観るべきであろう。