〈冬虫夏草〉 テレワーク
2019/07/24コラム
冬虫夏草
新しい働き方として『テレワーク』というものがある。
テレとは「遠くのものと繋がる」という風な意味があり、テレフォン、テレグラム、テレスコープ、テレビジョンなどはこれから派生している言葉である。
『テレワーク』では、主にインターネット回線により、遠隔地のスポットオフィスを結び働くというものである。
メリットとして、支店や営業所などの規模の設置を行わず業務指示等ができることから、コストの縮減になる。さらに、業務従事者はフレックスタイムなどの利用により、近い勤務地でより自由な時間設定ができる。育児休暇を取ったスキルのある人材を自宅において自由な時間において業務を分担してもらうことも可能となっている。
しかし、デメリットも当然ある。
顔を突き合わせない分、不平や不満などの溜まり易く、業務の指示も明文化していないと、間違って伝わることもあり、二度手間となることも多い。
無論、これもスカイプなどの映像で指示することなどで解決する問題ではある。
難しいのは、勤務形態による賃金体系の整備である。
さらに、管理職の管理の在り方の変化である。
インターネットは距離的制限をなくすことができる技術であるが、それをどう使うかはいまだ成熟していない。
建設業界でいえば、積算、会議資料の作成、賃金計算などの事務作業はテレワークで処理が可能である。
現段階では、セキュリティーの問題はあるものの、テレワークで部分業務を委託すれば、労働時間も少なくて済むことから、常勤で雇わなくて済むこととなる。
つまり、コストが低くてすむのである。
労働者の観点から見れば、自由ではあるが、常勤でないため、身分が不安定となる。
さらに、ウーバー(配車サービス)方式をとれば、スキルが高く、素早く処理してくれる者に替えられるリスクがある。
既に日本でも、日本最大級のクラウドソーシング「クラウドワークス」があり、そのうたい文句の一つは「世界中の個人のスキルとアイデアを仕事の力に」である。
ポケベルを持たされた時代から、あっという間に携帯の時代になったように、世の中は恐ろしいほど進んでいる。
IT技術を駆使するのは、ソフト会社だけではなく、建設業者もそうあるべきであろう。