〈冬虫夏草〉 “いいね”
2019/08/26コラム
冬虫夏草
SNSを利用する人はほとんどが若者だと思っていたら、フェイスブックなどは結構年配の方が利用しているらしい。
利用率で各県を比較すると、1位は東京都だが、九州各県が上位を占め、最下位は埼玉県となっている。
絶対的情報量が少ない地方では、個人発信のSNSが利活用されているのだろうか。
ただ、別の視点からみると、承認欲求を満たしてくれるツールとして、SNSが利用されているという面もある。
ところで、面白い数字がある。
日本のインターネット普及率は約93%で、利用率は約80%だそうである。
一方、アメリカはインターネット普及率は約95%だが、利用率は驚くことに約8%だそうである。80ではなく8である。
別の見方をすれば、日本よりアメリカの方がよほど人と人とのつながりが直接的なのであろうか。
しかし、日本では仕事においては一人一台のパソコンが当たり前で、パソコンがなくていいという人は、仕事をしていないような見方をされるが、アメリカではそうではないのだろうか。または、単に仕事では使うが、自宅では必要としていないのだろうか。
御存じの方がいれば教えていただきたいものである。
ついでに言えば、アメリカで一番驚くことが、通信速度の遅さである。ホテルなどで高速通信と記載されていても信用してはいけない。米国の約70%の人々が6Mbps以下の低速回線しか利用できない状況にあるという。
最近、とあるコンサルティング会社のセミナーを覗いてみた。
老若男女問わず、隔絶された個人社会では、承認欲求を満たしてくれるツールとして、SNSが利用されており、理解してくれる無二の親友より、より多くの“いいね”が満足を与えてくれるそうである。
そういえば、テレビを賑わすバイトテロも歪んだ承認欲求の一つであろう。
自らの愚かな行為をインターネット上に挙げて注目を浴びたいというのは、どれだけ社会常識がないのであろうか。
しかし、それもインターネットの普及率が高い日本ならではの副産物なのであろうか。
インスタグラムは実験的に“いいね”を非表示にするそうである。
“いいね”に振り回されないようにとのことであるが、ウリの大きな材料であったはずだが、それだけ振り回されているのであろう。