〈冬虫夏草〉 マスコミ 酷くない?
2019/10/16コラム
冬虫夏草
最近のマスコミは高齢者の事故の話題が減り、あおり運転の話題が占めるようになってきている。
政治的関連の話題では、東京電力が貰った贈り物の数々だ。
無論、東京電力が使用している『保管』という言葉には笑わせられたが、犯罪者を扱うかごときは問題だ。
建設関係者なら、図式は容易に見て取れるであろう。
電力関連の工事の下請けに入る為に、発注者である電力会社に推薦等をしてもらわなければならないが、電力会社がちゃんと相手するのはスーパーゼネコンだけだから、付け届けをして、何とかしようとしたのであろう。
ましてや、原子力関係の工事ならばスーパーゼネコン以外に発注することはほぼない。(特定健建設共同企業体の子は別)
テレビでは間接的受注と言っていたが、要するに下請けである。
民・民の取引の中で、付け届けや接待は常識であり、交際費として税務署も認める堂々とした行為である。
無論、問題がないわけではない。
たとえ、民・民の関係であっても、取引金額の上で会社に損害を与えたならば、特別背任である。
マスコミでは、売上高の上昇を取り上げていたが、そんなもの営業の成果だろう。
犯罪的として取り扱うのならば、付け届けをしたことにより、下請金額についても電力会社が口を出し、元請け会社が金銭的損害を受けたかどうかである。
贈り物として、常識の範囲を超えている感はあるが、犯罪者扱いすることは、全く正当ではない。
利害関係者からの贈り物を受け取ることが違法なのは公務員だけで、そうでなければ、民間の会社が行う、お中元やお歳暮は犯罪行為となる。
金額の多寡が問題ならば、その場面に応じた適切な金額を法律的に示してほしい。
『忖度』の時にも感じたが、法律的瑕疵がないにも拘らず、ましてや物理的犯罪証拠があるわけでもないのに、犯罪的に扱うのはやめていただきたい。
演繹的に罪を作り上げるのは、まさしく魔女狩りであり、このことにより被害者が発生してしまうのだ。
政治家や高額所得者を叩く事が正義だという風潮を安易に受け入れてはいけない。
寄稿者:冬虫夏草
長きに渡り、地方自治体における総合評価制度の実際の現場で評価に携わってきた
現在も総合評価制度を探究し、ゼネコンはじめ多くの建設企業から相談を受けている