〈冬虫夏草〉 声かけ
2019/10/21コラム
冬虫夏草
会社において、上司の部下への声かけは重要である。
声をかけること自体も重要であるが、どの様な“声かけ”を行うのかは、さらに重要である。
ある程度の人を見抜く能力があれば、頑張っているのが上司の目の前だけなのか、どうなのかは判断できる。
また、大抵の人は、1日中しゃかりきに頑張るわけではなく、適当に手を抜いているものである。
そういう意味では、常に会社にいる総務の人間は大変であり、現場に出る技術者や営業マンはかなりの部分、適当にさぼっているものである。
さて、どの様な声かけをすればよいのだろうか。
基本姿勢は、ポジティブである。
その場面に適した言葉で、『頑張ってるな』『お前、期待以上だよ』など何でもよい。
それで勘違いして調子に乗ると考える必要はない。
積極性を引き出す方策と割り切り、評価をする必要もない。
あとは、役割を与えるのもよい、大小に関わらず、責任者となることは、自主性を育てる絶好の機会である。
言葉は、どう発するかも重要で、英語においても、普通の肯定文でも語尾を上げると、疑問形としてとらえられることがある。
ニュアンスや表情で伝わる部分は大きい。
日本語自身も平安時代に基礎的なものが形成されているが、発音などは大いに変遷している。『母には二度会い、父には会わない』という謎かけの答えは『唇』で、発音で母は唇をつけて発音したことから、この答えになる。
声かけも、自分の言葉ではなく、相手が理解でき、納得できるものを使うべきである。
先導し教育することは難しい。矯正することはさらに難しい。
自らが変わらない限り、伸びることが難しいと考え、その手助けの一つの方法として“声かけ”を行ってみよう。
最後にこれまでの事を台無しにすることになるが、どうやっても駄目な人はいる。
何度も同じ失敗をして、ほとぼりが冷めれば、同じことを繰り返す者。
このような人に対しては、どう対処すればよいのだろうか。
一つは、行動の工程を細かく区切り、問題を起こす部分を明確化し、自覚させ、指導することだ。
問題の部分さえ明確化できれば、また、どうしようもなければ、他者に任せることができる。それでも、本人に自覚させることは重要である。
寄稿者:冬虫夏草
長きに渡り、地方自治体における総合評価制度の実際の現場で評価に携わってきた
現在も総合評価制度を探究し、ゼネコンはじめ多くの建設企業から相談を受けている