<建設女子・現場アルアル> 天職につながると思って建設現場で働いてみた
2020/02/19コラム
建設女子
どれだけ働いてもまったく苦にならない仕事を自分の職業にできる人生は幸せですよね。いわゆる“天職に就く”というやつです。子どもの頃から工作が大好きだった私は、成長するにつれて「自分が頭に思い描いている家を建設物としてこの世に残す仕事がしたい!」という夢を抱くようになりました。今回は20歳の私が建設現場で働いてみた体験談を紹介します。
これぞプロの技!
私は都内にある建築系の専門学校に通う女子学生です。2年生になった頃に専門学校の先生からの紹介で、建設現場でアルバイトを始めることになりました。オフィスビルの建設現場ではたらくことがほとんどです。私が特に興味を持っているのはファミリー向けの住宅建設の分野でしたが、オフィスビルでも基本となる業務スキルは似ているので、枠にハマらず取り組もうと思って、日々アルバイトに励んでいます。
現場で働いている社員の方々は、まさにプロフェッショナルです。建主からの発注を受けて建築士が書いた設計図をもとに、必要な材料を仕入れてどんどん加工して組み立てていきます。重いものを軽々しく運び、高い場所にも臆することなく上る姿は圧巻です。業務スキルを身につけなければならないのはもちろんですが、寒い日も暑い日も作業をしなければならないため、まさに体力勝負の仕事だといえます。
通行人から言われたこと
建設現場は、はっきり言って男社会です。礼儀節度が重んじられ、上下関係も厳しいため、体育会系の運動部に所属している気分です。先日、建設現場の入口付近で作業をしていると、そこを通りかかった年配の女性に「あら、女の子なのにこんなところで仕事をしていて大変ね」と言われました。その年配女性の私を見下すような視線に何だか悲しくなりました。その数時間後に今度はお父さんと息子の親子連れが通りかかりました。するとそのお父さんは息子に向かって「ほら、あの女の子は男の人たちにまじってちゃんと仕事をしているよ。カッコいいね」と言ったのです。これまでの仕事ぶりが認められたような気持になりました。
このように女子が建設現場で働いていると、さまざまな偏見の目で見られることもあります。でも私は、すべては天職に就くためのプロセスだと捉えて、「男性社員に負けるもんか!」という意気込みで任せられた仕事に取り組んでいます。
ハードルを乗り越えて…
オフィスビルの建設に携わってみて、ビルというのはたくさんの機能や用途を兼ね備えた空間の集合体であることを学べました。日焼けで肌が荒れてしまうことや男女兼用の簡易トイレを使用しなけらばならないことなど、女子が建設現場で働くにはさまざまなハードルがあるのは事実です。しかし社会人になってから「もっと学生時代に経験を積んでおけばよかった…」と後悔しないために、これからも私は建設現場で働き続けます。
寄稿者:建設女子(複数)
建設業に携わる女性のコラム。特に建設現場での出来事や苦労した話、嬉しかったことや発見したこと、不思議に思っていることなど、『現場あるある』を自由に発信してもらいます