<建設女子・現場アルアル> 建物の建設現場で働く女子ならではの悩みに関する体験談
2020/02/26コラム
建設女子
仕事に対する考え方やライフスタイルが変わり、今までは男性の職場とされていたビルなどの建設現場で女子が働くことも珍しいことではなくなりました。しかしその一方で女子ならではの悩みが生じているのも事実です。建設現場で働く女子にありがちな悩みの詳細やその悩みを解決するために工夫した体験談について紹介します。
高収入を目当てに働いたものの職場環境が男性向け
私が建設現場で働く理由は収入が多いためです。女性の仕事と言えばオフィスでの事務や小売店での販売というイメージが強く、私も当初はそのような職場で働いていました。しかし、希望するだけの収入を得ることができずに生活が困窮したため、短期間で多く稼ぐことができる土木作業系の仕事に就こうと考えました。学生時代の先輩が働いている建設会社を紹介してもらい、多くの男性と一緒に肉体労働に従事することになったのです。慣れない力仕事で疲れてしまうこともありましたが、今までの仕事よりも多く稼ぐことができることを励みに頑張りました。その一方で建設現場の環境は男性向けであり、女子が快適に過ごすのは難しいのも事実です。
その典型的な例として現場に置かれているトイレがあります。建設現場ではほとんどの場合、汲み取り式の簡易トイレが置かれています。一つのトイレを男女兼用としている現場は決して少なくありません。女子はしゃがんで使う形になるので、どうしても衛生面で不満を感じてしまいます。二つ以上のトイレを置く現場も増えていますが、それでも女子には使いにくいのが実状です。男性と比べると時間がかかってしまうので、他の女子作業員の迷惑にならないように使う時間帯をずらす必要があったのも特有の悩みでした。
快適に過ごせる環境に改善させる
建設現場のトイレ問題は私以外の女子作業員も不満に感じていました。私に仕事を紹介してくれた先輩もその一人で、同じ仕事に就いていながらトイレで女子だけが苦労するのが我慢ならないと怒っていました。そして会社に対し、現場には女子専用の清潔なトイレを置くことを強く求めたのです。使う時間をずらしたり単に数を増やすだけではなく、女子は常にしゃがんで使うのでその点を考慮し、清潔なトイレを用意してほしいと懇願した次第です。当初は難色を示していた会社も、事務職のトップにいた社長の奥様が賛同してくれたことで要望を聞き入れ、現在では女子専用の清潔なトイレが現場に置かれるようになりました。
職場環境の改善は妥協してはいけない
当初はお金を稼ぐためだけに就いた建設現場の仕事でしたが、気持ち良く仕事を続けるには職場環境を改善させることが重要であるとトイレの一件で痛感しました。昔からこういう職場だからと妥協せず、快適な環境にするための努力を怠らずに良かったと思います。現在では建設現場でも自宅のように清潔な簡易トイレが置かれるようになり、安心して利用することができます。
寄稿者:建設女子(複数)
建設業に携わる女性のコラム。特に建設現場での出来事や苦労した話、嬉しかったことや発見したこと、不思議に思っていることなど、『現場あるある』を自由に発信してもらいます