【総合評価落札方式】 手続き改善で事前に資格審査も
2020/03/09建設時事
建設メール
国土交通省は、直轄工事の総合評価落札方式(施工能力評価型)の手続き改善を検討している。現状では工事ごとに競争参加資格資料、総合評価資料の提出を求めているが、事前に競争参加資格・企業評価を行い、対象期間内に発注される工事であれば、企業評価に関係する資料の提出を不要とする仕組みを検討する。年間発注予定件数が多い工種や地区での実施を想定する。
企業の能力等については、同様の工種区分であって評価時点が一定であれば、基本的には数値が変化しないことに着目。改善案では、事前審査として一定の条件のもとで競争参加資格と企業評価資料を公募し、企業に関する審査を通過した場合に「登録番号」を通知する。対象工事の発注の際には入札公告で事前審査対象工事であることを明記し、通知番号と技術者に関する資料を提出してもらう。これにより手続き期間の短縮につなげる。将来的には「技術者情報ネットワーク」を活用して、技術者に関する資料も不要にすることを視野に入れている。
今後、対象期間の設定や事前審査を行っていない者が参加する場合の取り扱い、企業評価点の機密保持といった留意事項を整理する考え。
また直轄工事における発注標準に基づく等級別の発注区分について、参加条件に合う技術者が不足する場合には、限られた技術者を有効活用するため、発注ロットを拡大する対策も検討。比較的難易度が低く、予定価格が小さい工事では下位等級が、比較的難易度が高く、予定価格が大きい工事では上位等級が競争に参加できる範囲の拡大を検討していく。