【CCUS活用】 技能者の賃金上昇へ年収目標設定を
2020/03/11建設時事
建設メール
国土交通省は、建設キャリアアップシステム(CCUS)の活用により建設技能者の賃金上昇につながる好循環を生み出す取り組みを進める。CCUSのレベル判定に必要な35職種の能力評価基準が年度内に整備されることを受け、6月までに専門工事団体によるレベルごとの年収目標を設定してもらい、それに基づく見積もり促進を要請していく。
赤羽一嘉大臣は、CCUSを活用して4段階の能力評価を技能者の賃金上昇の好循環につなげる施策を含めた施策パッケージを、建設業界とも連携しながら年度内に取りまとめるよう指示。国交省では3月中に施策パッケージを示した上で、技能者の能力レベルと建設業界による処遇目標が結び付き、適正に請負代金に反映され、賃金が上昇するように国と建設業界が一体となった推進を目指す。
技能レベルごとの年収の明確化を皮切りに▽下請け企業が元請け企業へ必要額を請求▽元請け企業・発注者間での請負価格の適正化▽元請け企業が下請け企業からの見積書を尊重した支払い▽雇用主である下請け企業による給与の支払い▽技能者の賃金が上昇(労務単価の上昇)―という好循環につなげたい考え
20年度からはレベルに応じた4段階のカード交付が本格化するほか、経営事項審査でレベル3およびレベル4の技能者を雇用する場合は加点評価を行う。また21年度には、職種ごとの標準見積書を改定するとともに、登録基幹技能者制度がない「その他の職種」の能力評価も実施することで、全ての建設技能者への能力評価が可能な状態にする見通しだ。
さらに専門工事企業の施工能力評価を21年度から開始して、人と機械を保有し、施工能力を有する専門工事企業が評価されるような仕組みを整える。