【新型コロナ対策】 「スライド制の導入を」/群馬建協が建築資材不足受け提言
2020/03/13業界動向
建設メール
群馬県建設業協会(青柳剛会長)は12日、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う建設資材などの不足状況に関する会員企業アンケート調査の結果を明らかにした。建築資材は約65%の企業が不足を感じ、約23%はほとんど調達できていないことが分かった。協会として提言書をまとめ、工期延長・繰越や技術者配置の時限的な緩和措置などの拡大、事業量の確保や資材価格の変動に応じたスライド制の導入などを求めた。
提言書では、特に建築資材の不足が深刻で民間工事の受注をあきらめざるを得ない恐れがあることや、現在は大きな影響のない土木資材も状況が続けば調達が難しくなってくるといった業界の状況を説明。国や県に対して、工期延長などの柔軟な対応に加えて事業量確保、受注減を見越した融資制度の拡大などの対応を求めている。協会は月内にも業界の景況感や人手不足などの調査を予定している。
建築資材不足は「ほとんど調達できない」と答えた企業が23・4%に上り、工期が遅れるなどの影響が出ている。「特になし」を選んだ企業でも、現時点で建築工事を受注していない場合が考えられることから、稼働している現場に限れば影響は65%を超えるとみられる。
不足している資材に関する回答157件のうち、トイレなど衛生器具が54件と最多。衛生器具は国外からの輸入が多く、確保の見通しが立っていない企業も多いという。このほか◇空調設備=24件◇浴室器具=19件◇炊事設備=18件◇その他=42件―となる。
土木資材については約93%が不足は「特にない」と回答している。しかし納品が遅れている資材もあり、鋼材、高力ボルトなどのほか、中国製品全般などが挙がっている。
回答した企業からは、民間工事で「納期が間に合わない」「国産品に変更するため支援として助成金が受けられれば」「オープンが決定している建物に損害が出てしまう」「今後の建築受注が困難になる」などの意見が出ている。
公共工事に対しては、工事の一時中止、工期延期の対応だけでなく、現場管理費や共通仮設費の増額などを求める声が上がった。このほか「粉じん対策で必要不可欠な防塵マスクも手に入らない」や「土木は資材確保できているが今後はどうなるか不安」などの声があった。