〈壁耳〉 誰もが社会保険加入の「デマ」
2016/07/19記者の目/論説
建設メール
デスク 一体どこでどう間違って伝わっているのかは分からないが、「何しろ社会保険に入らないと、現場に入れてもらえなくなる」という誤解は多いようだ。国土交通省が下請指導ガイドラインにおける「特段の理由が無い限り現場入場を認めない取扱いとすべき保険未加入の作業員」の解釈を明確化しようとしているのは事実。また、一人親方の労働者性の判断基準を周知徹底させる取り組みも強化する見通しだ。元請(一次下請)の説明自体があやふやなのか、説明は合っているが受け取り側が間違えているのか。「保険未加入の排除」や「目標年次の2017年度」というキーワードが一人歩きした結果かもしれない。
記者 確かに「排除」という言葉の響きは重たいです。
デスク それだけ強い措置ということ。ただ、そういう話が出てくるということは、それだけ保険加入の気運は高まっていることで、業界としては、そこは評価してもいいかもしれない。保険には入らないと、でもやり方が分からない、と言う状態な訳だから。地方の中小企業などでは、専属の社労士がおらず、税理士や行政書士と相談しながら手探りで保険のことを勉強しているという話も聞く。人づての情報ではなく、まずはきちんとした知識を持っている社労士に相談することが大切だ。
記者 国交省が来月から始める地方キャラバンでは社労士との個別相談もできるようですね。
デスク 本年度からの新たな取り組みとして説明会後に社労士と1対1で相談可能な「個別相談会」を開くことになった。当然無料だから、社会保険加入を検討している企業は是非参加してほしいね。