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<税金豆知識> 建設業経営者が知っておくと役立つ税金に関する知識

2020/03/12コラム

税金豆知識

建設業は他の業種とは異なる面がありますが、税金に関する規定にも建設業を経営している事業者にだけ適用されるというような独自のものがあります。こうした建設業特有の税金や経理に関する知識を知っていれば、経営に役立てることができます。ここでは、建設業の経営者が知っておくと役立つ、税金の計算に関する知識について詳しくご紹介していきます。

建設業特有の収益の計上時期

法人を設立して建設業を営んでいる経営者の場合、注意しなければいけないのは収益の計上時期です。各事業年度ごとに納めなければいけない法人税の金額は、事業年度ごとの利益に税率をかけることで計算されますが、利益は各事業年度の収益から費用を控除した金額として計算されます。通常の物品を販売している事業者ならば、商品を販売した日の属する事業年度の収益として売り上げを計上することになりますが、建設業者の場合には特有の処理が必要になります。

建設業者の場合、依頼された建物を建築し、その対価を受け取った日が属する事業年度に収益を計上することになります。ここで問題となるのが、対価の支払いの対象となる建築物の建設期間です。一つの事業年度の間に依頼された建築物の工事が完成し、建物の受け渡しもが完了して対価も受け取った場合ならば、その建築物の対価はその事業年度の収入としてそのまま計上することができ、その建物の建築に要した費用もその事業年度の費用として計上することができます。ですが、問題となるのは対価の対象となる建築物の建設が二期以上の事業年度にわたって行われる場合です。

二つの事業年度にわたって行われる工事

例えば、毎年4月1日から3月31日までを一事業年度としているような建築業の法人の場合で、2021年2月1日に依頼を受けた建築物の建設工事を開始したと仮定します。実際に工事が完了したのが2021年4月30日の場合、この工事はこの法人において二つの事業年度にわたって行われたことになります。建物の引渡しと対価の受け取りを2021年5月に行ったとすれば、この工事の収益は2021年4月1日から始まる事業年度の収入として、法人税の計算をすることになります。この場合、その建物を建設するために支出した費用も建物の受け渡しをした事業年度の費用として計上されます。

ここで問題となるのが、二つの事業年度にわたって建物の工事が行われていることです。引渡しをした日が属する事業年度に建物の工事に関する全ての費用を計上しても、工事を開始したのは前事業年度のために、工事に要した費用のうち、前事業年度に支出した部分も引渡しをした事業年度の費用として計上することになります。収益に対応する費用という意味で考えれば、この方法で毎事業年度の法人の利益を計算して税額を計算する方法も合理的なのですが、一度に支払わなければいけない法人税の金額も高額になるため、建築業の場合、上記とは異なる方法で計算をして税額の計算をすることも認められています。

各事業年度ごとに利益を計上する方法

建設業に特有の法人税額の計算方法が、二つの事業年度にわたって行われた工事の収益と費用の額をそれぞれの事業年度に分けて計上する方法です。例えば、前述の例の場合、建物の対価の額が3億円だったとすると、これを工事が行われた期間によって各事業年度に配分した場合、2月から4月までちょうど3ヶ月にわたって工事をしているため、2億円が工事を開始した事業年度の収益ということになります。残りの1億円が工事を完了し、対価を受け取った事業年度の収益ということです。この収益に対応する工事費用の額も、同じように各事業年度に配分されます。

例えば、工事に要した総費用が1億5千万円だった場合、そのうちの3分の2にあたる1億円が工事を開始した日が属する事業年度に計上する費用ということになります。残りの5千万円が対価を受け取った日の属する事業年度の費用です。この方法で計算をすると、工事を開始した日が属する事業年度においては1億円の利益があったことになり、対価を受け取った日の属する事業年度においては5千万円の利益があったことになります。この利益の額に税率を乗じて法人税の金額が計算されるために、法人税を二つの事業年度に分割して納入することができるメリットがあります。

工事の状態に合わせて利益を計上する利点

建築業者の場合、二期以上の事業年度にわたって建設期間を要するような大型の建物を建設する場合もあることから、納入すべき税金の計算も他の事業者とは異なった方法を選択することも可能です。収益と費用を各事業年度に分割して計上する方法ならば、納めなければいけない法人税も分割して納めることができるので便利な方法です。

 

寄稿者:税理士

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