〈冬虫夏草〉 中国と言う国
2020/03/17コラム
冬虫夏草
今や世界第2位の経済大国である中国を無視して、世界の政治・経済は論じられない。
日本においても、経済的結びつきや観光客、中国人留学生など無関心ではいられない。
今でこそ新型コロナウィルスの影響で少なくなったが、銀座などでは一時期、日本人より中国人が多いのではなかろうかと思う時もあった。
正式名称は中華人民共和国で、社会主義国である。同国は共産主義の国家を目指しており、過程として社会主義国であるとしている。
イメージとしての共産主義社会は各人が自覚的で「能力に応じて働き、必要に応じてもらう」という、哲学的な世界だ。
その哲学的世界に至る崇高な道筋を現在歩いているという様子は微塵もないが。
同国の指導部は共産党で、1党独裁による指導を行うことにより、共産主義社会に至る事を想定している。
中国はその領土は広大で、内陸部は特に貧困と低い文化的環境にあった。
その経済的状況を突き破る為に鄧小平時代以降、中国共産党による一党体制を堅持しつつも、市場経済導入などの改革開放政策を取り、中華人民共和国の近代化を進めた。
海外との交易拠点である沿岸部を経済特区とし、一部自由主義経済を導入、内陸部の安い労働力を背景に世界を席巻した。
今や内陸部まで開発は進み、労働賃金も上昇してきている。
世界の工場としての地位は、世界1位の人口と安い労働力にあったが、東南アジア諸外国と比べて割高になった賃金は、輸出を中心としたものから、国内消費及び付加価値の付いた商品生産に移行しており、代表的例がIT関連だ。
この歴史は、ある意味アメリカと似ている。世界初のオートメーションにより品質が均一化した安い商品の供給からシリコンバレーを代表とするIT関連産業へと、世界のニーズに合わせてスタイルを変えている。
しかし、注意しなければいけないのは、民主主義国家においては国の理想的形態は定まったものではないのだが、中国においては定まっているとしている事である。
だから、中国は戦略的撤退はあっても、妥協はしない。
1970年代より、中国は国境を接するベトナム、ロシア、インドと度々軍事的衝突を起こしており、アメリカより喧嘩っ早い国だ。
しかも、過程より結果を重んじるマキャベリストだ。
雪解けの現在の状況は戦略的に仕掛けられたものとして受け止めておきたい。
寄稿者:冬虫夏草
長きに渡り、地方自治体における総合評価制度の実際の現場で評価に携わってきた
現在も総合評価制度を探究し、ゼネコンはじめ多くの建設企業から相談を受けている