<税金豆知識> 建設業だからできる節税対策
2020/03/26コラム
税金豆知識
建設業では、一人親方の人も多く、節税は難しいとされてきました。ですが、法人化することによって、たとえ一人親方でも、従業員が少なくても、節税することは可能です。そして、建設業だからこそできる税金対策というものもあるのです。そこで、この記事では、建設業をしている人だからこそできる節税について解説します。
経費計上を見直す
所得税を計算するときには、課税前収入が大きく関係しています。つまり、課税前収入が多ければ税金は高く取られますし、逆に少なければ節税になります。課税前収入を減らすためには、経費の計上が必要になります。そして、建設業は経費の計上がしやすい業種でもあるのです。経費計上の項目には、接待光熱費があります。仕事の打ち合わせや、食事会にかかる費用のことですが、建設業では何度も細かい打ち合わせが必要になるため、その度に経費がかかります。更に、水道光熱費や通信費も経費計上にあたります。建設業は、様々な業種と確認作業を行う必要があり、その度に光熱費や通信費がかかります。
そして、建設業で節税効果が高いのが、専従者給与です。建設業では、事務作業も必要になりますが、その作業を、奥さまや兄弟に手伝ってもらいます。給与を発生させることができれば、高い節税効果を得ることができます。ですが、このときには注意することもあります。専従者給与は、青色申告だけでしか計上することができないのです。節税のために専従者給与を出すときには、何色の申告にするかをよく考えてから決めましょう。
契約書は電子媒体で行う
建設業は、頻繁に契約書を結ぶことが多い業種でもあります。そして、その度に収入印紙が必要になります。少なくとも、100万円以上の工事では、必ず契約書に収入印紙を貼らなくてはいけません。つまり、工事を請ければ請けるほど、収入印紙を購入するため、かなりの費用がかかってしまいます。ですが、電子媒体での契約に変えれば、収入印紙は必要ではなくなるため、節税に繋がります。更に、電子媒体で契約することにより、事務用品の節約にもなります。契約書を交わすときには、事務用品が欠かせません。契約書に使用する紙はもちろんですが、印刷するときのインク代、更には相手へ契約書を郵送するときの封筒代などもかかります。
電子媒体での契約に変えれば、これらの費用も出さずに済みます。また、電子媒体で契約することは、郵送代がかかるわけではないので、切手代もいりません。電子にしたからといって、大幅にコストカットができるわけではありませんが、こうした小さな積み重ねは、やがて大きな節税へと繋がるのです。
寄稿者:税理士
現役税理士が、融資に強い決算書とは?、合理的な節税方法とは?など、経理面・税金面の「読んでみて少しでもタメになる話」を寄稿