【国交省事業執行通達】 早期かつ円滑な執行を/感染症対策の徹底も
2020/04/01建設時事
建設メール
国土交通省は、2020年度予算の成立を受け事務次官から各地方整備局や関係独立行政法人などへ事業執行に関する通達を出した。20年度予算の執行に当たっては、早期かつ円滑な執行を図るほか、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」が最終年度であることを踏まえ、引き続き着実な実施を求めた。さらに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策を徹底し、必要に応じて一時中止等の措置を適切に実施することを盛り込んだ。
また改正品確法により調査・設計の品質確保が位置付けられたことを受けた内容を反映させたほか、社会資本整備の各段階で品質確保・向上とともに生産性向上を図るため、中小企業も含め建設業全体で新技術の導入、BIM/CIM等のICTの積極的な活用、施工時期の平準化等に取り組み、i-Constructionを推進することを指示した。
他にも事業用地の取得に際して必要となる登記事務の速やかな完了の徹底に関する記述を加えた。
なお同通達は全地方自治体に対しても周知を図っている。
◎BIM/CIMの適用対象拡大
国土交通省は2020年度直轄事業の入札・契約に関する執行について、大臣官房長から各地方整備局長等へ通達した。19年度からの主な変更点では、ICTの全面的な活用の推進でBIM/CIMの適用対象の拡大を明記。大規模構造物の予備・詳細設計および前工程で作成した3次元データの成果品がある業務・工事について、原則としてBIM/CIMを活用し、大規模構造物の概略設計でも積極的な導入の推進を求めた。
また新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に向け、必要に応じた工事の一時中止措置等の適正な対応を新たに加えた。
さらに、改正品確法で調査・設計の品質確保が広く法律の対象に位置付けられたことから、適切な履行期間の設定や履行期限の平準化に努めることなどを盛り込んだ。災害対応の関係でも、災害復旧工事の緊急性に応じて随意契約・指名競争入札等の適切な入札・契約方式を選択することを加えている。