【CCUS】 建設業界と官民発注者へ国交省が活用促進を要請
2020/04/02建設時事
建設メール
国土交通省は、建設キャリアアップシステム(CCUS)のさらなる普及・定着に向け、3月にまとめた官民施策パッケージを踏まえて建設業者団体および公共・民間の発注者に対して活用を要請する初の通知を出した。運用開始から1年が経過し、専門工事業35職種の能力評価基準認定により技能者の能力・経験に基づき4段階のレベルごとに色分けされたカードの交付が始まることもあり、建設業に従事する全ての関係者が「業界共通の制度インフラ」として、発注者との協力・連携のもと、CCUSの活用に積極的に取り組んでいくべきとした。
国交省では建設業関係団体と連携して、官民施策パッケージに基づき2023年度からのあらゆる工事でのCCUS完全実施に向けて、▽建退共制度でのCCUS活用▽社会保険加入確認でのCCUS活用▽公共事業等でのCCUS活用▽能力レベルに応じた賃金支払いの実現▽CCUSのさらなる利便性向上、生産性向上―などの施策を順次進めていく考え。
建設業関係団体には、官民施策パッケージの推進と会員企業への周知徹底への積極的な協力を要請。建退共制度に関しては公共工事、民間工事を問わず適用されるものであるとし、民間工事でも掛金納付・充当の徹底について適切に対応するよう求めた。また20年度に直轄工事で「義務化モデル工事」のほか、受注者希望方式で「活用推奨モデル工事」を実施することから、地元業界の理解を踏まえてAランク以外の工事でも活用推奨モデル工事の試行を各地方整備局で検討する予定であるとした。他にも元請けや上位下請けが現場稼働中に閲覧できる情報は、作業員名簿に登載されている情報および過去に自社の現場での就業履歴に限定されていることなど、正しい情報の発信と早期の登録推進を含めた周知徹底を求めた。
地方自治体への通知では、直轄工事での義務化モデル工事や自治体発注工事において独自に進む加点評価等を踏まえ、積極的な制度活用を要請したほか、20年度に実施する入札契約適正化法に基づく実施状況調査からは、CCUSに関する都道府県等の取り組み状況を報告してもらう旨を伝えた。
なお各府省や独立行政法人、特殊法人等に対しても同様の要請を行うとともに、主な民間発注団体に対しては建退共制度での活用やCCUS活用促進への理解と協力を求めている。