見たもん勝ち ～建設業応援団～
【新型コロナ感染症】 企業の8割が業績にマイナス／帝国データバンク
2020/04/03業界動向
建設メール
帝国データバンクが3月に実施した新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査の結果、企業の大小を問わず8割以上が「業績にマイナス」と回答したことが分かった。2月の調査から大きく増加し、さらに深刻化した状況が浮き彫りになった。既に影響が出ている企業は約47％で、約34％は「今後マイナスの影響がある」としている。
マイナスの影響を見込む企業を業界別に見ると、運輸・倉庫が最も高い。建設は今後の悪影響を見込む企業が4割強となり、先行きを懸念する様子がうかがえる。
企業からは「工事発注の見合わせ、建設資材や住設機器の在庫ひっ迫、社員の健康維持、チェックが過大な負担」や「住宅リフォームの仕事は商品の仕入れができない状態が続き、販売促進もできない」といった意見が聞かれた。一方で社員や家族、協力会社などで感染が発生した場合のガイドラインを作成している企業も出ている。
◎建設業は4カ月連続で悪化に
帝国データバンクがまとめた全国景気動向調査（2020年3月調査）によると、建設業の景気動向指数（景気DI）は前月比6・3ポイント減少し、4カ月連続で悪化したほか、判断の分かれ目となる50を2カ月連続で割り込んだ。
国内景気は、後退局面の中で新型コロナウイルスの影響が拡大し、過去最大の下落幅を記録。調査開始以降で初めて全10業界51業種が悪化するなど、東日本大震災後の水準まで低下した。今後も海外の動向や新型コロナウイルスなどの不確実性が高まり、後退が続くとみられる。
現状について、建設業者からは「着工の遅れや中止が表れ始めている」「ウイルスの影響で商材が入らない」「中国からの部材の調達が心配」などの声が出ている。
先行きに関しては「台風等の影響で護岸工事などの受注が増えている」との意見もあるものの、「企業の設備投資が見通せない」「仕事量が少ないため受注単価が下がってきている」「停滞感が大きく、短期間で景気が良くなるとは考えにくい」「新たな工場建設予定が延期になりそう」といった厳しい見方が多い。
