見たもん勝ち ～建設業応援団～
【月間アーカイブ・4月】 新型コロナで環境が急変
2020/05/12建設時事
建設メール
【4月のトピックス】 新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言の対象が全国に拡大する中、建設業界にもさまざまな影響を与えている。受注者側の申し出により工事・業務を一時中止または工期等を延期する措置が進んだほか、工事を継続する場合でも現場における「三つの密」（密閉、密集、密接）の回避対策に万全を期すことが求められるようになった。国土交通省では「三つの密」回避に向けて、建設企業が実践している取り組み事例をまとめ、周知を図っている。
国交省直轄工事の入札契約手続きに関しては、提出する資料等の期限延期やヒアリングを省略するといった柔軟な対応を取り入れており、5月からは新たに直轄事務所発注の一部工事における指名競争入札の活用や、工事書類・中間技術検査の簡素化など特例的な措置も行うことになった。
建設業関係団体では、5月以降に本格的な総会シーズンを迎えることから、従来とは異なる対応に迫られたケースも多い。原則として懇親会は中止にするものの、総会の開催方法については判断が分かれた。
今後は、国土交通省と主要建設業団体、各自治体との意見交換も控えるが、テレビ会議方式を採用し、議題を絞って参加人数も必要最小限にするなど例年とは違った進め方になる見通しだ。
建設業界においても引き続き、最低7割、極力8割程度の接触機会の低減に向け、一丸となって感染拡大防止対策を徹底し、早期の終息を目指す必要があるだろう。
【19年度の受注は好調】
日本建設業連合会の会員企業における2019年度の受注総額は15兆1410億円で、前年比で減少したものの6年連続で15兆円台を維持した。また、東日本建設業保証など保証会社3社がまとめた19年度の公共工事前払い金保証統計では請負金額の合計が15兆254億円となり、前年度から堅調な伸びを示した。その一方で、19年度の新設住宅着工戸数は5年ぶりに90万戸を割り込み、建設企業の倒産件数が前年度比で増加するなど、厳しい状況が表れ始めた。新型コロナウイルスの感染拡大が日本経済、ひいては建設産業に及ぼす影響は依然として不透明だ。大型連休明けから工事を再開した現場は多いが、まずは安全に十分に配慮した上で、建設投資の着実な執行が求められる。
