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【UR都市機構就任インタビュー】 「迷走しないよう戒める」／青山一麿・海外展開支援部長
2020/06/12インタビュー
建設メール
4月からUR都市機構の海外展開支援部長に就任した青山一麿氏に、抱負や今後の取り組みなどについて聞いた。
―就任の抱負を
青山 海外インフラ展開法の施行により、新たな段階に突入したと肌で感じている。URが国や地方自治体とともに計画を策定し事業を実施してきた知識や経験を総動員し、「川上（関係構築や構想段階）から川下（事業実施）」までをコーディネートすることで、日本企業の事業参入への成功事例につなげていきたい。時に回り道は必要だが、迷走しないように戒めたい。
―海外展開支援において重点的に進める取り組み
青山 まず法施行後に、初めて契約したオーストラリアの案件を成功させる。有益な情報を積極的に提供し、オーストラリア側の主要機関のキーパーソンとの関係構築を深め信頼を勝ち取っていく。さらには、日中エコモデルシティ建設に向けた覚書を中国城市科学研究会と締結、ミャンマーにおける建設省都市住宅開発局との、住宅・都市開発分野における計画策定支援と事業実施支援に係る覚書を交換した。今後は情報交換や技術提供を通じ、計画策定や事業実施等の支援を行う。
―さらなる海外との連携について今後の展開は
青山 インドネシアのジャカルタでは、国家住宅開発公社が所有する団地再生プロジェクトを支援するための覚書の早期交換を目指す。インドでは国土交通省や在外公館とも連携し、ムンバイ高速鉄道駅予定地周辺等の開発に携わるムンバイ都市圏開発庁とムンバイ首都圏域におけるTOD（公共交通指向型開発）の計画策定支援等の覚書の早期交換を行う。さらにタイ運輸省とタイ国鉄の間で、魅力的な駅前空間を創出する実現可能な段階的開発の事業プロセスの構築について協議を進め、事業実施の支援へ本年度早期の覚書交換を目指す。
―組織運営や人材の育成について
青山 スマートシティやTODなど共通のトレンドワードを組織として昇華し、URのノウハウに裏打ちされた課題解決プログラムを、職員誰もが提案できるように組織を強化していきたい。人材育成に関しては組織としてのワンチームを目指し、大きな目標に向かって一体感を育んでいきたい。ここで育った職員は、日本の都市再生や賃貸住宅管理に戻っても必ずや活躍できると信じている。UR全体の起爆剤として成長してもらいたい。
【略歴】あおやま・かずまろ
早稲田大学大学院理工学研究科卒、住宅・都市整備公団入社。西日本支社都市再生業務部次長、日本スポーツ振興センター新国立競技場設置本部企画調整役を経て2020年4月から現職。趣味はまちを歩いて見て回ること。1963年生まれ。56歳。東京都出身。
