
建設経済研究所と経済調査会経済調査研究所は30日、「建設経済モデルによる建設投資の見通し」(2020年7月版)を公表した=表参照=。20年度の建設投資は前年度比3・4%減の59兆7100億円で、5月の推計から1兆400億円減と下方修正している。21年度は前年度比5・8%減の56兆2500億円と予測した。建設投資見通しが56兆円台となるのは15年度以来。新型コロナウイルス感染症の影響に関しては、今後、終息するとして見通しを行っている。
政府建設投資は20年度が前年度比2・8%増の22兆4800億円で、21年度は防災・減災、国土強靱化関係の「臨時・特別の措置」と東日本大震災復興特別会計に係るものを除いた推計として同比17・4%減の18兆5700億円と予測した。
民間建設投資のうち住宅投資では、20年度の住宅着工戸数は新型コロナに伴う受注の遅れが影響し、前年度比10・2%減の79・3万戸とリーマン・ショック時以来の80万戸割れを見込む。ただし21年度は下げ止まるため同比4・0%増の82・5万戸になるとした。住宅投資の水準は20年度が前年度比10・2%減の15兆円と5月の推計から7000億円減と下方修正。21年度は同比3・3%増の15兆5000万円になる見通し。
非住宅投資(建築+土木)は20年度が前年度比4・7%減の16兆1700億円、21年度は同比0・7%減の16兆600億円を見込む。20年度は新型コロナの影響で宿泊施設や店舗の減少が予測される一方、いわゆる「手持ち工事」が蓄積しており、事務所、倉庫・流通施設、土木が堅調に。21年度は引き続き事務所等が堅調ながら、20年度の受注減少の影響が出ると見ている。
建築物リフォーム・リニューアル投資については、20年度が前年度比2・0%減の7兆4500億円、21年度は同比1・2%増の7兆5400億円と予測した。