
関東地方整備局の土井弘次局長は「重責を感じつつ、やりがいを持って職責を全うしたい」と就任の抱負を語る。関東整備局管内の勤務は東京国道事務所長以来、2度目となる。エリアが広く人口も集積し、予算規模も大きいため、さまざまな社会資本が整備されている中で、特に注力したい分野として「防災・減災、国土強靭化」を挙げ、「昨年の台風による河川の氾濫は記憶に新しい。あらためて防災・減災、国土強靭化にはしっかりと取り組む必要がある」と話す。
管内の課題解決への認識として「河川は大規模な一級河川が流れており、道路は『3環状』の整備が進んでいる。関東全体で一つのネットワークが構築されており、東京を中心に河川も道路もつながりが見られ一体感を感じる。全体を俯瞰して見る目を持ちながら、それぞれの地域の特性を見つつ、各出先事務所と連携して全体のポテンシャルを高めることが大事」と強調する。
業界に対しては「私たちの仕事は社会を下支えするもの。誇りを持ってやりがいにするべきだが、課題としてはそれが社会全体に伝わらないこと。いかに地域の役に立っている仕事であるかをもっと社会へ発信する必要がある」とメッセージを送る。
思い出に残る仕事は「10年ほど前の東京国道事務所の所長時代に日本橋の補修を手掛けた。『日本橋架橋100年』を迎えるころで、補修工事の完成が間に合うよう汗をかいた。ここ数年、各地で施設の老朽化対策の重要性がクローズアップされているが、いかに早めに手を加えて長寿命化を図るべきかを身をもって知った」と振り返る。
【略歴】どい・ひろつぐ
1988年京都大学大学院工学研究科修了、建設省採用。国土交通省東京国道事務所長、九州地方整備局道路部長、首都高速道路執行役員などを経て7月21日付で現職。京都府京都市生まれ、56歳。趣味は旅行、ウオーキング。