〈冬虫夏草〉 リモートワーク
2020/05/19コラム
冬虫夏草
その一つは、何度も言っているが、我が国のIT環境の遅れだ。
しかし、IT関連企業が乱立する中、変化の兆しも見えてきている。
IT関連企業では、その仕事の性格上、リモートワークが可能である。
すると、どういう社会変化が起きるのか。
事務所面積の縮小と、居住の地方分散である。
リモートワークをしているのに、態々家賃や生活費が高い、都心に住む必要性は少ない。
しかも、日本はメディアという点においても、非常に制限を掛けられている。
普通のテレビのリモコンは地上波は一巡するだけだが、海外では、地上波から衛星放送まで、順に変わっていく。わざわざ、衛星のボタンを押す必要がないのだ。
地上波テレビ局は守られているのだ。
許認可制度は同時に産業の保護も意味している。
しかし、新型コロナウイルスによる経済活動の変化において、最悪の状態を予想すれば、事務所テナントには空室が目立ち、東京オリンピックを見越して投資していた、主に中国人所有のホテルなども手放さざるをえなくなる。
飲食店やインバウンドにより成り立っていた店舗は、長引く拡幅までの道のりに耐え切れずに、空き店舗となる。
都心の空洞化現象である。
そもそも、日本というより東京は、経済と文化、政治の中心であるという大きなリスクを抱えている。
南海トラフ地震を出さなくとも、リスクの分散は日本にとって必須条件のはずである。
建設業界にとって、リモートワークは馴染まないと考える人は多いだろう。
しかし、カメラ解像度とロボット技術は長足の進化だ。
現場管理は言うに及ばず、現場作業もリモート操作できるようになるはずである。
すくなくとも、本社及び現場事務所の事務業務はリモートワークで行えるはずであり、現場事務所におけるパソコン等のコスト縮減、人件費削減に寄与するはずだ。
ただ、報告書等を統一化・電子化する必要があり、事務の流れもマニュアル化しなければならない。
発注機関についても、毎週の協議をテレビ会議もしくは、メールのやり取りで済ませるべきであろう。メールでやり取りすれば、発言の有無及び時系列が明らかであり、トラブルも回避される時もあるだろう。
やれる事を検討すべき時だ。
寄稿者:冬虫夏草
長きに渡り、地方自治体における総合評価制度の実際の現場で評価に携わってきた
現在も総合評価制度を探究し、ゼネコンはじめ多くの建設企業から相談を受けている