<建設女子・現場アルアル> 建設現場で働く悩みと自分なりの工夫
2020/09/23コラム
建設女子
私は子供の頃から建築に興味があって、大学で建築学を学んだ後、建設会社に就職をしました。建設業界というと男社会で女性が活躍するのは難しいと思われがちですが、実際は世間が抱いているイメージとは異なります。今回ご紹介するのは、私が建設現場で仕事を通して感じた悩みや改善すべき点、男社会で働くことの魅力についてです。
女性ならではの現場での悩み
建設現場で働き始めて最初に不便に感じたのが着替えやトイレの問題です。時代の移り変わりの中で女性の従業員も徐々に増えてきているとはいえ、割合で言えば圧倒的に男性の方が多いのは否めません。そのため、数少ない女性従業員のために専用のトイレを設けてくれる所は少なく、トイレは男性と共有せざるを得ない状況です。男性従業員も配慮してくれてはいますが、どうしても気になってしまいます。着替えにしても同じ部屋で着替えるわけにはいかないので、時間をズラしてもらったり別の部屋を用意してもらわなければいけない状態です。帰りはまだしも、朝の着替えではズラしてもらうことで始業が遅れるなどの支障が出て周囲に嫌な顔をされることもよくあります。
そのほか、設備以外の悩みとして挙げられるのが身に付ける物のサイズです。作業着はもちろん、ヘルメットや安全靴といった装備品は男性基準のサイズが殆どで着用できないことは珍しくありません。実際にこれらの装備品が着用できないという理由で現場に入れない経験もしたことがあります。
建設現場だからこその魅力
着替えやトイレなど建設現場で働き続ける中で苦労する点はたくさんありますが、魅力を感じる事もあります。特に感動したのが男女平等の精神です。日本も海外と同じように女性の社会進出が進んできているとはいえ、古くからの男尊女卑の精神が根強く残っている会社は少なくありません。建設業界はこうした性別による理不尽な差別をされるようなこともなく、女性でも同じように仕事を任せてもらえます。与えられた仕事に対して結果を出せば正当に評価もしてもらえるのが嬉しいです。上司はもちろん、他の男性従業員も仕事中は女性だからと気を使うことなく、共に働く仲間として接してくれるので楽しく働くことができています。
女性も快適に過ごせる環境の実現に期待
建設現場への女性の進出が思うように進まない原因は、設備環境の悪さが問題にあると思います。今でこそ順応できるようにはなっていますが、私も最初の頃はトイレや着替えの度に憂鬱な気分になっていました。建設業界には女性ならではの感性は不可欠と言えるので、気持ち良く仕事ができるように環境を整えていくことが必要だと思います。
寄稿者:建設女子(複数)
建設業に携わる女性のコラム。特に建設現場での出来事や苦労した話、嬉しかったことや発見したこと、不思議に思っていることなど、『現場あるある』を自由に発信してもらいます