<建設女子・現場アルアル> 女性監督として建設現場で働く私の体験談
2020/09/30コラム
建設女子
建設業界というと、男性社会というイメージが強いですよね。最近では、女性が活躍できる業界にしようという国の政策のもと、積極的な女性の採用が行われています。目的は、女性を含めた多角的な視点を取り入れることと人材の確保です。しかし、なかなか女性の参入が進んでいないのも事実です。建設業界に就職し、現場監督として働いている私が、女性として実際に感じたことをお伝えします。
不安を感じながら現場監督に
私は、特に建設の勉強をしてきたわけでもなく、転職先の候補としてたまたま建設会社を目にして、入社に至りました。もともと、男性の多い職場で働くことにそこまで抵抗がなく、女性の積極採用を謳っている会社なら活躍できるかもしれないという軽い気持ちでした。しかし、家族や友人に心配されて調べてみると、不安要素がたくさん出てきました。例えば、女性だからという理由で無視される、指示を聞いてもらえないなど、活躍どころか仕事にならないのではないかと不安を抱えて入社したのを覚えています。
研修を経て現場監督として働き始めても、もやもやした気持ちはなかなか消えませんでした。現場の職人さんは私からすると口調が激しく感じたり、女性が珍しいためか良くも悪くも特別扱いをされているようで居心地が悪く感じたり、思ったような仕事はできませんでした。男性と女性では適性が違うので、仕事も全く同じにとはいかないのは当然ですよね。また、仕事なのだから言うべきことはしっかり発信していかないといけないのですが、不安からか、現場でのふるまいがわからず遠慮もしていたように思います。
現場で感じたこと「女性であることが不利にはならない」
どの職場で働いていても同じかと思うのですが、始めたばかりの頃は、仕事に対する経験や知識の少なさのためか、慣れて身につけた実力を出せるまで時間がかかります。今思えば、私の場合も、自分の仕事に自信がないために思うように発言や行動ができず、男性社会である業界のせいにしていたのかもしれません。仕事に少しずつ慣れてくると、思っていることや作業の指示・確認などがスムーズにできるようになってきました。私が驚いたのは、職人の皆さんの反応でした。こちらが正しい仕事をしていれば、決して女性の言うことは聞かないといったことはなく、しっかり耳を傾けてくれました。また、こちらからのお願いなども理不尽に断られるといったことは全くありませんでした。
社内にも社外にも、現場には意外と女性の社員がいることも精神的な助けになりました。皆さん自信を持って仕事に取り組んでいるので、それを見習っていいんだと思うことができました。女性だからと気構えすぎるのは、かえって男性に対して失礼かもしれません。もちろん、現場には女性にできない仕事もありますし、全て同じにとはいきませんが、性別に関係なく仕事をすれば、相手にも認められるのだと学ぶことができました。
女性も、自分の仕事次第で認めてもらえる
建設現場は、まだまだ男性が多いのが現実です。しかし実際働いている私の意見としては、女性でも、しっかり自分の仕事をしていれば、男性も受け入れてくれますし、決して不当な扱いを受けることはないと思っています。男性と女性には適性の違いもありますが、建設業界も他の仕事と変わらず女性が活躍できる魅力的な職場です。女性側から身構えすぎることなく、積極的に仕事に取り組む姿勢も大切かもしれません。
寄稿者:建設女子(複数)
建設業に携わる女性のコラム。特に建設現場での出来事や苦労した話、嬉しかったことや発見したこと、不思議に思っていることなど、『現場あるある』を自由に発信してもらいます